小角近似は、θ が 0 に近く十分小さいとき(ラジアン)、三角関数をテイラー展開で線形化して sinθ を θ で近似する方法です。非線形方程式を線形化できるため、振り子など多くの系で単振動の近似解が得られます。
テイラー展開(θ→0)
sin θ = θ - θ^3/6 + O(θ^5)
cos θ = 1 - θ^2/2 + O(θ^4)
よって
sin θ ≈ θ
となり、誤差は主に θ^3 項から始まります。
ラジアンが重要
この近似は θ を ラジアンで扱うことが前提です。度(deg)をそのまま代入すると数値的に破綻します。
単振り子の線形化
理想単振り子は
θ¨ + (g/L) sin θ = 0
ですが、小角近似で
θ¨ + (g/L) θ = 0
ω = sqrt(g/L)
T0 = 2π sqrt(L/g)
となり、周期が振幅に依らない単振動が得られます。
小角を超えると
振幅 θ0 が大きいと周期は増加します。近似的には
T ≈ T0 (1 + θ0^2/16 + 11 θ0^4/3072 + ...)
と展開でき、厳密式は楕円積分で表されます。
注意点
- 条件は「θ が小さい」かつ「ラジアン」。
- 局所近似なので、長時間の予測では誤差が累積し得ます。